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宇都宮美術館で開催の「デザイン・日本・亀倉雄策」展を見に行ってきた。亀倉氏と言えば、NTTやリクルートのロゴ、東京オリンピックのポスター、Nikonのポスターデザインなどで有名なグラフィックデザイナー。昨年の11月から開催されていたのは知っていたけれど、なかなか行くチャンスが持てずにいた。仕事上、ポスターやパンフのデザインとは切っても切れない立場にあるのもあるが、何より世界的なデザイナーの展覧会が地元で開催というのにも興味があった。
行ってみて、(長きに渡って様々な仕事をしていた為か)その手がけた作品数の多さにまずびっくり。その時代時代の世相を反映してはいるが、とにかく斬新な作品が多い。しかもPRすべき対象の特徴をしっかり伝えている。「ポスターは人の目を引くインパクトが無くてはいけない。」と生前亀倉氏は言っていたそうだが、ただ奇をてらったモノを作っても、それは忘れ去られるのも早い。企業ポスターだけでなく、本の装丁や雑誌の編纂までも手がけていたから、何をどう伝えるべきなのかを良くご存じだったのだと思う。作品を作る上での創意・工夫もハンパではなかった。草月流の展覧会のポスターがあったが、その作品はハサミで色紙を切って作られていた。理由は「ハサミで切ったときのシャープな線が欲しかったから。」…今の世のように、PCで何でも作れてしまう時代ではなかった。だからこそ必要なモノを自分の手元に引き寄せる努力をしないと、良い作品は作れなかったのだろう。逆に言えば、今の世の中は便利な事は増えたが、一つ間違えると良いものを作る為の切磋琢磨は余り成されていないケースが多いかもしれない。
あと亀倉氏の仕事に欠かせなかったのは「人脈」。写真家の土門 拳や草月流家元の勅使河原 蒼風など様々な人との交流があったそうだが、その人脈が大きな力となっていって仕事の後押しをしていたのが作品の中に見ることが出来る。これも待っているだけでは得ることが出来ない。最初は仕事上だけでの関わりであったかもしれないが、後にもっと深みのある関係に発展させていったのは、亀倉氏の努力と人柄だったのだろう。
その世界のトップランナーとして時代を牽引していく人には、単なるセンスやカリスマ性だけではない力が多く存在すると改めて思った。
…興味を引かれて足を運んだ展覧会だったが、多くのことを教えられた一時だった。
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